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 改組 新 第 4 回 日展 「授賞作品」

日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書
「授賞作品」

公益社団法人 日展
(平成30年 5/26〜 6/17 金沢展
石川県立美術館)
巡回展は終了しました。


日展 110年 改組 新 第4回日展  ('2017 11/3〜12/10) 国立新美術館東京・開催。
改組新第四回日展を迎えて 日展は、文展創立から 110 年、法人として出発して 60 年という大きな記念すべき節目の年を迎えました。 改組 新 第四回日展は、110 年の素晴らしい歴史と、その恩恵に深く感謝の意を表しながら、明るく開会することとなりました。 日展は、日本画・洋画・彫刻・工芸美術・署の五部門が揃って、渾身の新作を発表する、世界でも類をみない総合美術団体です。 これからは、海外にも日展が紹介される機会もあることと存じますので、若い作家を力強く育成しながら、団体をさらに発展させ活動できるよう、この 110 年を機に日展を支援、応援していただくための賛助制度 「日展パートナーズ」 を設けて、広くご加入を募ることにいたしました。 ご支援下さる方々には心から御礼を申し上げる次第です。 日展は、綺羅星の如く輝く作家を多く輩出した 110 年の歴史と重み、そして大いなる遺産に守られて今日があることを深く心にとめて、今後の日展へと引き継いでゆく覚悟で精進して参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
(公益社団法人 日展 理事長 奥田 小由女) ― 「改組 新 第四回日展作品集」 より― 

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福田 千恵《アントワネット》
中山 忠彦《私とは誰か?》
川崎 普照《晩 秋》
伊藤 裕司《大伯皇女》
尾崎 邑鵬《運籌策》
福田 千恵
公益社団法人 日展
理事、日本芸術院会員
4th 《アントワネット》
日本画
中山 忠彦
公益社団法人 日展
顧問、日本芸術院会員
4th 《私とは誰か?》
洋画
川崎 普照
公益社団法人 日展
顧問、日本芸術院会員
4th 《晩 秋》
彫刻
伊藤 裕司
公益社団法人 日展
顧問、日本芸術院会員
4th 《大伯皇女》[漆]
工芸美術
尾崎 邑鵬
公益社団法人 日展
顧問
4th 《運籌策》


日展110年 改組 新 第 4 回 日展 「授賞作品」
内閣総理大臣賞・文部科学大臣賞・東京都知事賞


内閣総理大臣賞(2名)


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日本画《妖精の女王》田島 那須美

内閣総理大臣賞 日本画 《妖精の女王(シェークスピア真夏の夜の夢)
田島 那須美 会員
・76歳(神奈川県出身)


 作者の作品は若い時から一貫している。
 子供じみていると思う人もいるかもしれない。 しかし今回の作品を見ていると彼女の泉の様にわき出るイメージが画面ばかりか外枠(額)にまで及んでいて楽しい。
 それに真中にスックと立つ妖精、その背景の大きな花や小妖精など色彩色にうったえる力があり、かつ構図もまとまり造形的にも評価出来る作品としている。



内閣総理大臣賞 洋画 《伊須気余理比売》
小灘 一紀
(本名:一紀) 会員・73歳(鳥取県出身)


 日本の神話を深く追求するこの作家は独特であり
いつの間にか、みる者を引き込む力を持っている。
今回は特に色彩も爽やかで気品に溢れ、
最高賞にふさわしい風格ある作品であった。

洋画《伊須気余理比売》小灘 一紀


文部科学大臣賞(3名)


彫刻《エトルスク 古代の記憶》池川 直

文部科学大臣賞 彫刻 《エトルスク 古代の記憶》
池川 直 会員・審査員
・59歳(香川県出身)


 二頭の羊の上に笛を吹く男が直立している。 古代の神像が動物に乗るように作られた。
いわゆる仏教でいう乗座の造形が示され、羊が歩を進める右に向って、男は笛を吹く。
迷える羊を導く聖人のように、その姿は古代から、現代に甦る。 卓越した技能に加え、聖像に静かな動勢が示され優れた造形力を評価した。



文部科学大臣賞 工芸美術(鍛金) 《舞い降りたイシュタル》
相武 常雄 会員・審査員
・68歳(愛知県出身)


高さ45センチほどの作品だが、大きく感じる。
イシュタルは、豊穣・愛・戦を司るメソポタミアの神だが、反面、
美しくも残忍な女神でもあった。
それかあらぬか、この作品にも、高貴さと妖艶さが漂っている。
身体全体にほどこした槌目跡と、そこに生じさせた緑青の濃淡が、それを際立たせる。
翼の白金のような色調(表面)と金箔の色(裏面)の対比もよい。これらを、肉厚のガラス台と鏡面仕上げのステンレス台が輝かせている。

工芸美術《舞い降りたイシュタル》相武 常雄


書《碧 潯》真神 巍堂

文部科学大臣賞 書 《碧 潯》
真神 巍堂
(本名:仁宏) 会員・74歳(京都府出身)


五言絶句一首を行草体で書いた作品。奇を衒うことなく、行立ての自然な堂々たる構成で、古典に立脚した安定感のある造形性をもって、重厚にして強靭な線質とでリズム感のある格調美を誇示している。
何よりも練度の高さは見事で、「深」を覚え、「真」の表現であると見受けた。



東京都知事賞(5名)


日本画《陽 炎》東 俊行

東京都知事賞 日本画 《陽 炎》
東 俊行 会員・審査員
・65歳(鹿児島県出身)


 春浅き頃、空が明るみをみせる蓮沼の情景が、細やかな情感をもって描かれている。 水に映る雲と、刈り残された枯れ蓮が残る水面の難しい表現を、巧みな色彩のバランスで構成して独特の世界を創り出した作品である。



東京都知事賞 洋画 《Orange Symphony》
熊谷 有展 会員・審査員
・51歳(長崎県出身)


 点描により光と空間を新鮮な感覚で表現している。
母子像の親密な様子、室内の合理的な処理が相乗し、清潔な詩情を画面にもたらしている。さらに抑制された色彩の調子も効果をあげている。
総体的に高いレベルでまとめられており、ここに推薦するものである。

洋画《Orange Symphony》熊谷 有展


彫刻《遥浪譜》堤 直美

東京都知事賞 彫刻 《遥浪譜》
堤 直美 会員・審査員
・67歳(静岡県出身)


 舟縁に腰を掛けた、若い女性が顔を左に向けて遙か先を見つめている。
 適格な人体表現に加え、左方に広がる大空間が意識されて、舟の向かう先を暗示するリズミカルな造形が秀れた表現となっている。



東京都知事賞 工芸美術(彫金・七宝) 《悠 游》
原 典生 会員
・78歳(東京都出身)


やわらかな色合いと微妙な凸凹でゆったりとした時間の流れのような空間。
注視すると中央にはあまたの形の海月が遊泳する海と、
幾多の特徴的な建物が周囲を巡らす都市の情景。
上を見上げると宇宙に浮流する星など。この壮大な世界を彫金の鏨の抑揚と、金属と七宝の釉薬の色調で表し、みごとな広がりを表し、作品に誘い込む優作である。

工芸美術《悠 游》原 典生


書《にむかって》日比野 実

東京都知事賞 書 《春にむかって》
日比野 実 会員・審査員
・57歳(京都府出身)


 伝統的な古筆の書法を手中にし、これに展覧会での大字仮名の表現を加味している。 行頭、行末の処理や行間などの空間構成が美しい。
また書の芸術性と歌意も一体となり、「春にむかって」を感じさせる作品である。


・作品受賞理由の批評は日展評です。
(陳列点数、日本画321点、洋画640点、彫刻246点、工芸美術1,174点、合計2,931点)


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